<お知らせなど - ぼくらのマガジーン/Gene /head>


oukan 2015年11月9日__吉田慶子さんのインタビュー連載。

先日お知らせしたとおり、
今日から新しい短期集中連載がスタートします。
ホームページを作ろうと思いたったときから
実現させたいと願っていた企画で、
ブラジルの古い歌謡曲であるサンバカンソンや
ボサノヴァを歌いつづるシンガー、
吉田慶子さんのインタビュー連載。
題して『マイライフ、マイジョアン』です。

わたしが彼女を知ったのは、今から8年前の2007年。
インタビューにも出てくる
オーマガトキというレコード会社からリリースされた
『コモ・ア・プランタ〜ひそやかなボサノヴァ』という
彼女にとって2枚目のアルバムを聴いて、
雑誌の音楽コラムで紹介したり、
ライブを観にいったりしたのが最初でした。

彼女が歌うのはブラジル音楽。
でもわたしには
歌われているのがブラジル音楽であることよりも、
歌声が小さくて、繊細で、同時に、
凛としていて美しいことのほうが印象的でした。
とにかく歌声が強く記憶に残りました。

ただ、正直にいうと、そのころは
それほど熱心なリスナーではなかったんです。
その理由をあえて言葉にするなら、たぶん、
「二十歳のときに『バグダッド・カフェ』を観ても
泣かなかったけど、四十代で観たら大泣きした」
というようなことかなぁ・・・。
つまり、わたしが慶子さんの歌に
より深いところで出会い直すには、
なにかしら違うフェーズに行く必要があった。
それが成熟と呼ばれるものなのかはわからないけれど、
経験や年齢、タイミングなどのいろいろをひっくるめての
「めぐり合わせ」ってことなのでしょう。
インタビューで彼女が語っているブラジル音楽との出会い、
ジョアン・ジルベルトとの出会いと
同じことなんだろうと思います。

その「出会い」については
インタビューを楽しみにしていただくとして、
数年前、わたしは彼女の歌にふたたび出会いました。
2011年、震災から何カ月かあとのこと。
あのころはわたしもそれなりのストレスを抱えていて、
音楽を楽しむ余裕をなかなか取り戻せずにいたんですが、
それでも時間とともに
聴けるものが少しずつ増えていきました。
そしてある日、ネットで誰かがシェアしていた
彼女の歌を聴いたんです。

初めて聴いたときと同じように、
小さくて、繊細で、凛としていて、
歌うことそのものをいつくしむような歌声。
そんな歌声が、あのときとは比べものにならないくらい
じわじわと心に沁み入ってきて、
疲れていたわたしの心を静かに撫でてくれた。
そのときの心地よさが、今日に至る出発点となりました。
以来、いちリスナーとして、
ときにライターという名の音楽推薦人として彼女の歌に触れ、
今回のインタビュー企画につながったというわけです。

ちなみに・・・
わたしは彼女の歌を、夜にひとりでひっそりと聴きます。
心がささくれていたり、ざわつくようなとき。
やさしい、穏やかな気持ちになりたいとき。
泣きたいとき。
部屋を少し暗くして、深呼吸をして、
彼女の歌声に、軽やかなポルトガル語の響きに、
ピアノやギターの美しい音色に身をゆだねる。
すると心のなかの雑音が消えて、静けさが戻ってくる。
ちょっとラクになるんです。

というわけで、すっかり長々書いちゃいましたが、
よければぜひ吉田慶子さんの歌に出会ってみてください。
この連載でもYouTubeからのリンクで
ライブ音源が聴けるようになってます。
そして「もう彼女のファンだよー」というみなさんには
全6回(たぶん15,000字くらい)のインタビューを
楽しんでいただけるとうれしいです。

アミーゴ


gohome